坪単価がハウスメーカーごとに違う理由を解説

坪単価がハウスメーカーによって異なることは、一般的に知られています。しかし、実際にはハウスメーカーでも坪単価は定められていないのです。注文住宅の価格は各種工事の価格の積み上げ方式により算出され、基準が決まっているわけではありません。本体価格の算出は施工面積を元に基準となる計算方法を用いて行われます。その結果を延床面積で除したものが坪単価となるだけなのです。
ハウスメーカーの建てる住宅は一見同じようにも見えます。しかし、詳しく観察するとその中身は全く異なります。違いは最終的に坪単価の違いとなって明らかになるのです。坪単価が異なるのは構造や仕上げなどの仕様の違いによります。また、算出の仕方や計算方法が異なる場合もあるのです。見積もりの算出方法は必ずしも統一されておらず、延床面積や施工面積は厳密に区別されていない場合もあります。本体価格に含まれる部分と含まれない部分の分け方も定められていないのです。
一般的に坪単価は建築費を延床面積で除したもので、初めから決まっているわけではありません。積み上げ方式で行われる建築工事の見積もりは、各種工事の金額を合計したものなのです。基礎工事を同じ業者に下請けに出した場合は、原則として見積もりは同じとなります。仕様を変えることで、その価格は変わってくるのです。すなわち、単価が安い場合はそれなりに材料の仕様や職人の手間を省いているので、単純に喜ぶことはできません。
構造の違いで見る坪単価は、木造の在来工法よりも2×4工法の方が安くなります。工場生産の軽量鉄骨造も木造の在来工法のものと比較すると価格は安くなるはずです。その違いが最終的に坪単価に反映されることになるのです。一方、会社の努力で価格に違いが出ることもあります。一部のローコスト住宅のメーカーは材料を大量に買い付けることで仕入れ価格を安くしたりしています。そのような会社の努力や工夫により単価を下げている場合は評価に値します。
ハウスメーカーを選ぶ場合は単純に坪単価を比べるのではなく、工法や構造の違いと仕様の違いを比べることが必要です。さらに、会社独自の工夫や努力により安くしている部分を評価することで、ハウスメーカーを公平に比較することが可能となるのです。また、価格の違いは値引き交渉の材料とすることも可能です。注文住宅の価格は一様に決められているのではなく、状況により変化すると考えることもできます。その中で有利な交渉をするためには、坪単価の知識が必要となるのです。